2023 年 79 巻 20 号 論文ID: 23-20065
本研究は観光地から帰宅途中の立ち寄り行動に着目して,その実態把握と滞在時間に関連する要因を分析するものである.観光客の帰宅途中における立ち寄りは渋滞緩和や観光地での滞在時間拡大の面から期待されているが,その実態に関する知見は不足している.また,帰宅途中の立ち寄りは計画された観光滞在と異なる性質をもつが,滞在時間と関連する要因に着目した研究はない.本研究ではカーナビゲーションアプリから得られた GPS 走行データと経路検索データを融合し,観光地からの帰宅開始後の立ち寄り行動を抽出した.当該立ち寄りの空間特性や滞在時間特性を明らかにし,滞在時間と関連する要因を特定するため滞在時間モデルを構築した.その結果,帰宅経路検索時における渋滞状況と滞在時間の関連性が示唆された.