2023 年 79 巻 22 号 論文ID: 22-22002
昨今の建設現場では生産性の向上が課題であり, クレーンの自動操縦化が求められる. その実現にはブーム先端に取り付けた単眼カメラから取得した動画像を用いたクレーン周辺の三次元復元が有効と考えられる. しかし, 取得される画像にはフックが映り, 三次元復元の精度を著しく損なう要因となっている. そこで本研究ではフックなどの三次元復元精度を損なう要因となる対象の画像からの除去を目的に, 計算コストの小さい特徴点による物体判別を試みた. 分類にはオプティカルフローを用い, その軌跡の形状を利用した分類手法を三つ提案した. その結果, ベイズ統計を使用した手法では振動などの影響にも頑強な分類が可能となり, 使用動画中のほとんどの場合で分類精度を表す指標であるAccuracyが0.85以上となる結果が得られ, 提案手法の有効性が示唆された.