2023 年 79 巻 22 号 論文ID: 22-22004
建設現場での人手不足が深刻化する昨今,クレーンの操縦補助や完全自動操縦などの技術が注目されており,それらの実現のためにはクレーン周辺の三次元地図を精確かつ高速に作成することが必須ともいえる.ここで,旋回するクレーンのブーム先端に設置したカメラは,直線軌道上を移動するカメラに比べて写真測量の観点からは不利である.そこで本研究ではステレオマッチング技術を用いて視差画像を生成することにより,クレーン周辺の三次元地図の生成を試みた.その際,視差画像に対する中心投影から正射投影への変換処理や視差の閾値の自動設定,複数枚の視差画像の重ね合わせなどの処理により精確性の向上を実現した.その結果,SLAMを用いた先行研究では得ることが難しかった密な三次元点群を,準リアルタイムの処理時間で得ることができた.