2023 年 79 巻 22 号 論文ID: 22-22015
我が国では,標準耐用年数である50年を経過した下水道管きょの割合が急速に増加しており,管きょの効率的な維持管理手法が求められている.しかし,現状の点検業務では,CCTVカメラで撮影した長大な管きょの画像から調査員が目視にて異常箇所を確認しているため,多大な時間と労力を要するという課題がある.加えて,調査員が経験に基づいて損傷度合いを判定しているため,均一かつ定量的な評価が難しい.そこで,本研究では,深層学習を用いて管きょを撮影した動画像を解析することで,クラックや破損といった損傷を検出し,損傷度合いを判定する手法を提案する.これにより,損傷度合いの定量的な評価が実現でき,点検業務の省力化・高度化に寄与できる.そして,実証実験を通じて,提案手法の有用性を確認した.