2023 年 79 巻 22 号 論文ID: 22-22020
山岳トンネル工事において,発破直後の切羽は肌落ちによる死亡災害が発生することが多く,切羽の無人化の取り組みが急がれる状況である.建設現場には既に省人化や無人化を目的として,自動運転機械や遠隔操作機械が導入されつつあるが,肌落ち災害に直結するブレーカーによるコソク作業の省人化・無人化の事例は見られない.一方で,雲仙普賢岳の噴火による火砕流や土石流に対して1993年より始まった無人化施工は,現在では地元の建設会社が実施しているケースも見られ,今後普及が見込まれる状況だが,自動運転への対応はまだ難しい状況である.本研究では建設現場における自動運転の普及を目指し,既存の建設機械を自動化する手法を構築するとともに,SLAM (Simultaneous localization and mapping)を活用することで非GNSS環境である山岳トンネル内での走行やコソク作業に適用し,実用性を検証した.