2023 年 79 巻 23 号 論文ID: 23-23185
洪水時に橋脚周りの局所洗掘が進行することで,橋脚傾斜等の被災が多く発生している.このような被災を未然に防ぐためには,どの橋脚の洗掘危険度が高いかの判断を的確に実施できる仕組み作りが重要となる.従来の洗掘被災リスク評価は,橋脚周りの洗掘深調査の結果を用いて行われている.本研究では,洗掘被災リスク評価の効率化に向けた情報抽出を目的に,河川情報の中で砂州動態に着目し,橋脚周りの経年的な洗掘実態との関連を分析した.その結果,橋脚周りの局所洗掘の発達と河道内の砂州の経年的な移動および固定化には明確な関係性があることが明らかとなった.橋梁の適切な被災リスク管理に向けて,定期的な橋梁の点検業務に加えて,容易に取得可能な航空写真の経年変化から橋梁周辺の砂州動態を把握することで,被災リスク管理の効率化に繋がることを示した.