2023 年 79 巻 24 号 論文ID: 23-24012
自動車運送業は,2024年4月に予定されている時間外労働時間の上限規制の適用により運転者不足等の問題の深刻化が予測されており,その対応策として貨客混載が注目されている.本研究では,貨客混載に取り組む地域の拡大に資する知見を提供することを目的として,自治体の貨客混載に対する取り組み姿勢や実施している公共交通政策を把握するためにアンケート調査を実施した.調査結果を分析したところ,「自治体が貨客混載の検討を行うこと」「自治体の貨客混載に係る財源・専門知識・マンパワーを拡充すること」「自治体の公共交通政策担当者が貨客混載に関する理解を深めること」という施策が,貨客混載に取り組む地域の拡大に効果が見られることが明らかとなった.