2023 年 79 巻 25 号 論文ID: 23-25001
近年,部分的硝酸還元(Partial Denitrification, PD)反応とアナモックス(Anammox)反応を組み合わせた新しい脱窒方法である部分脱窒-アナモックス(Partial Denitrification-Anammox, PDA)プロセスが注目を集めている.本研究では,アナモックス汚泥にも脱窒細菌が存在することに着目して,アナモックス汚泥を種汚泥としてPDAプロセスをスタートアップさせる可能性を検討したとともに,PDAプロセスの処理効果とグラニュール汚泥の微生物構成を分析した.その結果,COD/NO3-N比率を制御することでEGSB型連続流PDAプロセスを迅速にスタートアップさせることに成功した.PDAプロセスでは99%の高い窒素除去率を実現した.また,反応活性と微生物の群集構造の変化について解析を行った結果,アナモックスグラニュール汚泥における優占種はアナモックス菌と脱窒菌からアナモックス菌とPD細菌に変化し,PDA プロセスのスタートアップができたことが示唆された.