2023 年 79 巻 25 号 論文ID: 23-25047
微細藻類Haematococcus lacustrisはストレス環境下でカロテノイドの一種・アスタキサンチンを生産する.また,H. lacustrisは環境条件に応じ大きく3つの形態(遊泳型,パルメロイド,シスト)に細胞を変化させる.アスタキサンチンを生産しながら栄養塩を除去・回収する資源回収型廃水処理プロセス実現のためにH. lacustris優占培養法を検討する中で,細胞形態を把握するための画像認識技術を検討した.OpenCVではパルメロイドとシストの球形細胞と遊泳型とを区別する分類器を作成し84%の正解率を得たものの,パルメロイドとシストを細胞色により分類する2段階での分類が必要であった.YOLOによる3種の細胞形態同時認識では,全ての形態で90%を超える高い正解率が得られた.画質が認識精度に及ぼす影響を検討したところ,学習時よりも認識時に低画質の画像を使用した場合,正解率が大きく低下した.