土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(環境工学)論文
タイヤ由来の黒色マイクロプラスチックの交差点内における存在実態の解明
髙城 翔吾酒井 宏治柳原 正実
著者情報
ジャーナル 認証あり

2023 年 79 巻 25 号 論文ID: 23-25050

詳細
抄録

 近年,粒径5mm以下のプラスチック粒子と定義されているマイクロプラスチック(以下,MPsとする)による水環境の汚染が報告されている.中でもタイヤ由来のMPsは一次MPs発生の28%を占めていることからタイヤ由来のMPsの発生状況を把握することは海洋流出抑制に寄与すると考えられる.本研究では,多摩市乞田と亀戸で道路粉塵のサンプリングを行い,FTIRを用いてタイヤ粉塵由来のMPsの同定を行った.乞田は直線2ヶ所,亀戸では交差点内4 か所とその手前の直線2か所でサンプリングを実施した.結果,両地点の直線で得られたMPsの比較をすると交通量の多い乞田の方が多くなった.また,交差点内の複数車線が交わる地点のMPs数はその他の地点に比べ2倍以上多くなったため,様々な方向から車両が通る地点やカーブが発生する地点でMPs数が増加する可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2023 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top