土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
論文
広帯域超音波法におけるコンクリート中を伝播する弾性波の特性に関する基礎的検討
木下 尚宜迫 美乃福島 邦治原 幹夫吉武 勇
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2023 年 79 巻 5 号 論文ID: 22-00122

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抄録

 ポストテンション方式PC橋におけるグラウト充填調査手法の一つとして広帯域超音波法(WUT)がしばしば用いられている.本研究ではWUTによるグラウト充填調査の精度向上のため,コンクリート中を伝播する弾性波の基礎的な特性を調べた.探触子から発信される波動の指向性を調べるため,三角柱状の供試体を用いて各種の実験を行った.その結果,指向角が20~45°の範囲では透過波が明瞭に確認されたが,45~90°の範囲では低減することがわかった.また,反射波のスペクトルピークは約60~90kHzであった.WUTによるグラウト充填調査に有意な反射波をとらえるためには,弾性波の基礎的伝播特性を踏まえ,指向角が45°以内となるような探触子間隔とする必要があることがわかった.

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