2023 年 79 巻 7 号 論文ID: 22-00251
軟弱な災害発生土を被災地から搬出する際に,高吸水性ポリマーを添加して流動性を低減させる手法が注目されている.搬出された災害発生土は改良され地盤材料に再利用されることが望ましいが,内包される高吸水性ポリマーの吸水膨張が改良土の耐久性に及ぼす影響は明らかにされていない.本研究では,塩化鉄との反応によって高吸水性ポリマーの吸水膨張を抑制する手法を検証した.さらに,既存の軟弱土固化処理技術である「繊維質固化処理土工法」により得られた改良土を用いて乾湿繰返し試験を実施した結果,内包される高吸水性ポリマーの吸水膨張により改良土の耐久性が低下すること,また,塩化鉄の作用により高吸水性ポリマーの吸水膨張が抑制され,改良土の耐久性の低下を抑制できることを明らかにした.