2023 年 79 巻 8 号 論文ID: 22-00184
新たな液状化対策工法として,改良費用が安価かつ狭隘地においても施工可能な工法の開発が求められている.本研究では産業副産物を母材とする安価な微粒子を用いた微粒子注入工法の実用化を目的とし,高炉スラグ微粉末を用いた非セメント系微粒子注入材の開発を試みた.まず,ジオポリマーやドロマイトの固化原理に着目し,複数の微粒子を用いた供試体を作製し,一軸圧縮試験を行うことで強度特性から適した配合を模索した.最適な配合において水粉体比等の注入条件を変えた一次元注入実験を実施することで浸透性や改良効果を把握した.結果,半水石膏・高炉スラグ微粉末・酸化マグネシウムを用いた配合において1年以内では強度低下は起こらず,液状化対策に必要な改良強度を持つこと,水粉体比や注入流量によって改良効果が異なることを確認した.