2023 年 79 巻 8 号 論文ID: 22-00345
Sentinel-1 SARデータを用いて,積雪深の推定方法を検討するとともに,群馬県の利根川最上流域を対象に,積雪深観測所での観測値を用いてその推定精度を検証した.本地域の森林地帯において,積雪深と斜面のVV偏波とVH偏波の後方散乱係数の関係性について検討した結果,後方散乱係数から積雪深の推定が可能であることを確認した.木が生い茂っている500m四方の斜面の後方散乱係数から4m以下の積雪深の推定精度は,推定条件などによるが20~50cm程度となり,融雪量推定のための広域な流域面積での積雪の状況を把握することなどに活用できる可能性がある.