2024 年 80 巻 14 号 論文ID: 23-14017
FRPは軽量・高強度・腐食しないなど卓越した性能の活用が期待され,鋼コンクリートに限定しない複合構造を構築する素材の代表例として,2014年制定複合構造示方書で初めて記載されたが,実際にFRP構造物を設計,施工,維持管理するには,解決すべき課題が残されていた.これら課題のうち実務的側面も含め,多方面から多くの関係者を募り集中的な研究を行うのが望ましいと考えられた技術的事項(1. 部材の力学性能の評価方法と基礎データの検証,2. FRP複合構造の設計技術の調査研究,3. FRP構造物の維持管理方法,など)について調査研究を行うことを目的とし,FRP複合構造の設計・維持管理に関する調査研究小委員会(H218)が複合構造委員会内に2017年7月に設立され,5年余りにわたる活動を行った.本報告ではこれらの活動の主たる成果をまとめた.