土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(水工学)論文
キュムラントモデル型格子ボルツマン法に基づく3次元二相流体解析モデルの開発とviolent flowへの適用
笠原 豪新谷 哲也
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2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16043

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抄録

 津波や洪水等の複雑な流体現象に対して数値シミュレーションは非常に有効な定量化手法である.中でも格子ボルツマン法は完全に陽的な計算手法であり並列化効率が高い.近年キュムラントモデルとPhase-Field法を用いることによって安定性のある気液二相流解析が行えるようになったが,土木分野では適用事例が依然として少ない.そこで本研究ではキュムラントモデルとPhase-Field法を用いて激しい流れ場に対する二相流解析モデルを開発した.モデルの検証として,無重力空間での液滴振動,水柱崩壊現象を解析したところ,本モデルにおいて表面張力と重力流がそれぞれ理論値,実験値と良好な一致を示すことを確認できた.障害物を含む水柱崩壊の解析を行った結果,水位変化・作用波力ともに過去の実験結果を精度よく再現できた.

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