2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16191
降雨強度の新しい測定原理を開発した.レーザー式ディスドロメータLPMの雨量強度を教師データ,傘に取り付けた音声レコーダーで録音した雨音の周波数毎の音圧を説明変数とし,回帰分析により雨音からの降雨強度算出式を構築した.傘の材質やレコーダーの位置が変わっても降雨強度を精度良く推定でき,14mm/h程度の降雨強度の降雨事例において,降雨強度の算出精度はRMSEで0.28mm/hであった.一方,構築した回帰式を異なる傘材質で取られた雨音データ,異なる位置で取られた雨音データに適用すると精度は0.7mm/h程度低下した(傘の材質の違い:RMSEで0.94mm/h).一方で適用したいずれの場合も,相関関係が確認でき,適切な補正により推定精度の向上が期待できる.