2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16193
近年,ヒートアイランド現象や集中豪雨による被害が顕在化する中で,高空間解像度の地上気象データの重要性が高まっている.本研究では,気温,湿度,風向・風速,降水強度を観測でき,無線通信によるリアルタイムでの情報発信が可能なIoTデバイスを開発した.実際に,試作したIoTデバイスを車両に搭載し,定点観測値との比較を行った.その結果,定点観測時には日射加熱の影響やセンサの器差はあるものの,安定して気象測定が可能であることが確認された(夜間の気温RMSE=0.55℃).移動観測時では本デバイスを用いて,幹線道路沿いで気温が高くなる現象が確認でき,幹線道路の天空率の高さに加え,自動車排熱の局所的な大気加熱の影響があることがガスセンサから示唆された.