2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17076
令和6年能登半島地震津波の波源については本震直後の余震域分布を踏まえ,約150km程度の波源が想定されているが,既往の活断層調査結果や各地に到達した津波の実態を反映した事例は少ない.本研究では,今回の地震津波の波源域について,セグメント区分した波源による津波の伝播特性や水位時刻歴波形に基づき活動域の推定を試みた.その結果,北東沖については珠洲市飯田町等での津波到達時刻から能登半島北岸の南東傾斜の波源で説明可能であり,北西傾斜の波源は必ずしも考慮する必要がないことが明らかとなった.また,能登半島西岸の笹波沖の波源は隆起・沈降の分布等から今回活動していないと考えられる.以上より,今回の地震津波の波源域としては100km程度が想定された.