2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17116
神奈川県茅ヶ崎海岸では,汀線に沿って盛り土養浜を行うことにより砂浜の回復を進めてきた.この方法では,汀線に沿って比高の大きい浜崖が形成されるため,背後の自転車道から汀線へ降りられず,海岸利用者に強い圧迫感をもたらすなど,海浜利用上の障害が起きてきた.これを防ぐ方法として,ある限られた範囲で集中的に養浜を行い,そこから沿岸漂砂により下手海岸へと砂を供給する新しい手法(指定区域での連続養浜手法)を提案するとともに,茅ヶ崎菱沼地区を対象として,BGモデルによる計算を基に従来型養浜との比較を行い,これらより新手法の有効性を明らかにした.