土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海岸工学)論文
砂・シルト・粘土を含む津波による波力に関する水理模型実験
志方 建仁木原 直人鈴木 和磨
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2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17195

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抄録

 近年,土砂を巻き込んだ津波により,流体密度の増加に伴う静水圧の増分以上に波力が増大するとの報告がある.一方で,この波力が増大する事象と海底底質,濃度,波の形状等との関係を検証した事例は少ない.本研究では,波力が増大する事象の有無及び発生条件を把握する目的で,流体密度や水温等が制御された条件下において構造物の位置・種類を変化させた精緻な水理模型実験を行い,砂・シルト・粘土を含む津波による計測誤差の少ない実験データを取得した.また,津波先端部の形状・流速と最大波力等との関係に着目し,通常の津波(真水)と砂・シルト・粘土を含む津波の違いを分析した.その結果,水面角度の大きさや統計的ばらつき等に顕著な差異が確認されたが,最大波力を含む極大時において流体密度の増分以上の波力増大は見られなかった.

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