2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17283
越波による浸水発生時において,沿岸住民の避難等に活用するために堤防・護岸における波浪うちあげ高の把握が必要である.本研究では近赤外光を用いた測距技術であるLiDARによる波浪のうちあげ高計測手法の構築を目的とし,二次元造波水槽を用いた計測実験を行った.実験では縮尺1/25の直立型および緩傾斜型の護岸模型に対し規則波を作用させ,波高計で計測された水位との比較からLiDAR点群のノイズ特性・精度について検討を行った.実験の結果,砕波が発生する条件において砕波帯から護岸模型前面までの気泡を含んだ水面および越波飛沫において点群が取得され,点群から波浪先端位置を抽出することにより波浪うちあげ高の計測が可能となった.また,数値波動水槽による断面解析結果との比較から点群の取得条件の検討を行った.