2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20022
空コンテナの車両回送に伴う台数削減のため,折りたたみコンテナ(折りコン)の導入が期待されている.しかし,折りコンを使用すれば,折りたたみ作業時間(FT)と,集積段数(NT)と同数のコンテナが集まるまでの待機時間(WT)が発生する.これらの時間の増加が車両の生産性やコンテナの流動性に負の影響を与え,折りコンの効率性を低下させる可能性がある.そこで本研究では,これらの時間の影響を分析するため,確率的シミュレーションモデルを構築する.このモデルを使用して,折りコン導入による車両台数の削減と,FT や WT に起因するコンテナの滞留時間との関係を検証する.数値実験の結果から,FT の長さが空コンテナの回送効率に与える影響が顕著であることが明らかとなった.