2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20067
日本の高速道路では渋滞が頻発するとともに,老朽化に伴う大規模更新による通行規制も避けられない状況にあり,適切な交通マネジメント施策が重要性を増している.本研究では,近年注目を集めている社会課題解決手法であるゲーミフィケーションを用いて,高速道路利用者の行動変更促進施策として構築された渋滞緩和ゲームを対象に,仮想的な交通状況やゲーム条件下での行動を問う表明選好調査を実施し,利用者特性や行動変更に対するリワード条件に着目して行動変更可能性を分析した.その結果,日常的ゲーム利用者や短距離ドライバーといった,渋滞緩和ゲーム導入によって行動変更が促進されやすい利用者特性を明らかにした.加えて,金銭的リワードがなくとも,純粋な渋滞緩和ゲームの楽しさを動機づけとして行動変更が促進される可能性を示した.