2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20102
近年災害の多頻度化・激甚化により,日常時と災害時のフェーズフリーな環境づくりが求められている.災害時の避難場所など様々な機能を持った緑のオープンスペースの維持拡大のためには,その日常における役割の効果を明示的に示すことが重要である.平成30年に実施された第6回東京都市圏PT調査で新しく追加された消費額データを用い,回遊性を介して緑と消費額の関係性を把握した.山手線の駅1.5kmバッファ内を対象に,Tobitモデルで消費額を定式化し,消費額に影響を与える個人属性,トリップ属性,地域特性を特定し,日常時の人々の消費行動の分析を行った.また,より詳細にエリアを絞り比較し,エリアごとの特性も把握した.その結果,通常時の行動に緑地やオープンスペースが影響を与え,地域経済へプラスの効果があることが明らかになった.