2024 年 80 巻 27 号 論文ID: 24-27044
本研究は,日本全域のため池の水力エネルギーを評価することを目的に,ニューラルネットワークモデルを用いて流況曲線を推定し,流況曲線に基づき水力発電量を算出した.結果,日本全域のため池は,14GWh/year~63GWh/yearの発電量を確保できるポテンシャルを有している.8基の大規模な農業用ため池の放流方式を参考に推定したため池の年間水力発電量のポテンシャルは23GWh/year~144GWh/yearの範囲にあることがわかった.高知県,兵庫県,鹿児島県,宮崎県,大分県において,水力発電量の各最大値は16GWh/year,8GWh/year,4GWh/year,4GWh/yearおよび3GWh/yearと推定され,水力エネルギーのポテンシャルが高い結果となった.