2024 年 80 巻 27 号 論文ID: 24-27053
ジャカルタでは,都市洪水被害の甚大化に伴う下痢症被害の増加が懸念されている.本研究は,2020年1月洪水を対象に,水利用形態と下痢症との関連を明らかにすることを目的とした.衛星画像を用いて浸水域を特定した後,浸水域における実際の水利用状況について質問票調査を実施し,飲用および利用水源と下痢症との関連について分析を行った.その結果,水道契約と避難の有無が洪水後の下痢症感染に関連していることが示された.また,要因として,洪水後における水道水質の悪化,水道契約世帯の社会的状況,避難行動,避難所の衛生状態の悪さが考えられるため,今後先行研究の検討及び追加調査を実施し検証する必要がある.