2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16042
近年の大規模洪水氾濫に伴う河川構造物被害が顕著であり,構造物周辺で発生する渦構造とその影響を直接的に受ける浮遊微細土砂との相互作用効果を明らかにすることが重要である.そこで本研究では基礎的な局所流である鉛直噴流洗掘実験に対して固液混相乱流モデルを適用し,浮遊微細土砂と三次元渦構造の相互作用効果を明らかにするために移動床・固定床解析を実施し,比較した.まず,移動床解析における洗掘横断形状や最大洗掘深の時系列変化は,実験値と良好に一致し,本手法の有効性を示した.また,両解析結果の比較より,微細土砂の巻き上げは大規模渦運動を弱める方向に働くことを示した.その要因が混相流版渦度方程式に含まれるトルク項であることを明らかにした.