2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16124
土砂の流動過程の正しい予測に基づいた土砂流・土石流の対策が求められ,近年,画像解析技術により追跡した個々の砂礫挙動から土石流の構成則が検証あるいは修正されているが,水理実験で計測できるデータには未だ制限がある.一方,Lagrange-Lagrange型モデルは低水深の激しい土砂輸送の解析に長け,また,非定常現象への高い適用性も期待できるが,これまで土石流の解析はほとんど行われていない.
本研究では,DEM-MPS法を用いた定常状態の土砂流の3次元解析を行い,対応する水理実験の計測結果からモデルの適用性を検証する.固体要素の形状が土砂流動特性や粒子間の接触・衝突による応力構造に与える影響を検討し,内部構造を粒子間摩擦,衝突,粒子速度の乱れそれぞれが卓越した領域に分類する.