2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16170
直線水路および曲率半径 0.70m の湾曲水路において横越流堰からの流出水脈の流出角度について,実験的に検討した.また,簡便な流出角度の算定式の構築を試みた.本研究の主要な結論は次の通りである.1) 直線水路,湾曲水路ともにフルード数の増減による流出角度の変化は,堰上流端よりも堰下流端での方が大きい.常流の条件では,堰下流端の流出角度はフルード数だけでなく,流入流量の増減に起因するパラメータにも依存している.2) 曲率半径による遠心力効果が堰下流端の流出角度に影響を及ぼすのは,流れが常流の条件のときである.3) 流速ベクトルの角度と流出角度の実測値を比較した.堰上流端の流出角度では良好な一致が得られたが,堰下流端の流出角度では良好な一致は得られなかった.4) 堰上流端の流出角度を算定する実験式を提案した.