2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16198
格子ボルツマン法(LBM)は完全に陽的な計算手法であり並列化効率が高く津波の解析モデルの開発が行われているが密度流解析への適用は非常に少ない.LBMでは一般的に環境流体解析に適さない正方格子が用いられること,また境界条件としてno-slip条件を用いる場合の境界層の表現など効率に問題がある.そこで本研究では格子ボルツマン法に扁平格子を適用し,さらに壁関数により壁面摩擦力を考慮することによって高効率な流体解析モデルを開発した.交換密度流の解析では摩擦力を良好に評価できること,扁平率が高いほど格子を引き延ばした方向に内挿処理に伴う数値拡散が発生することが確認された.内部波の実験の再現解析を行った結果,既往研究結果と良好に一致することを確認し,格子の扁平化による効率向上も確認できた.