2025 年 81 巻 2 号 論文ID: 23-00221
浮泥が堆積する海域で浚渫後に音響測深を実施すると,可航水深よりも浅い位置が海底面として観測され,再浚渫が必要となる場合がある.ICT浚渫工の導入に伴い,周波数の高いマルチビームの活用により上記問題が深刻化する可能性がある.密度計による測定を行えば,船舶が航行可能な底泥密度を考慮した密度の鉛直分布を測定可能となるが浚渫工事中の密度測定は大きな負担となる.そこで,本研究では,浚渫前後の浮泥堆積特性を把握するための底泥密度分布測定などの現地観測を通じてこれらの対応関係を調査し,浚渫後に上記密度が出現する水深を簡便に予測する手法を提案した.具体的には浚渫前の底泥密度測定結果と浚渫後のマルチビーム測深結果から浚渫後の上記密度として多くの港湾で採用されている底泥密度1, 200kg/m3位置を予測できることを示した.