2025 年 81 巻 2 号 論文ID: 24-00108
1995年の兵庫県南部地震以降,耐震性向上のためにゴムダンパーの採用が増加している.しかし近年になって,ゴムダンパーの積層部底面と下部鋼板との加硫接着部が剥離する劣化現象が報告されている.この剥がれが積層部内部まで進行すると耐荷力の著しい低下をもたらすが,剥がれの程度を正確に測定する方法はまだ確立されていない.本研究では,剥がれの程度がゴムダンパーのせん断変形時の形状に及ぼす影響を明らかにするために構造解析を行った.その結果,ゴムダンパーの反り上がり形状が,剥がれの程度の違いによって影響を受けることを明らかにした.