2025 年 81 巻 22 号 論文ID: 24-22020
QZSSが提供するセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)は未だに有効な解の点検方法が確立されていない.本研究では,ネットワーク型RTK法において作業規程の準則で規定された点検方法に準じた点検をCLASで行い,その有効性を検討した.CLASのFix解取得開始時刻から300秒までのデータを対象に平面直角座標X,Y,標高の既知点座標からの較差を箱ひげ図と点検正解率で比較評価した.その結果,作業規程の準則と同じ較差の許容値の場合の点検正解率はX座標で75%以上,Y座標で90%以上となったが,標高は70%に達しなかった.したがって本研究で検証した点検方法は水平方向(X座標, Y座標)では有効となる可能性があるが,標高の点検への適用は困難であることがわかった.