今まであまり進んでこなかった土木分野でのCLTの利用について,筆者らは,軟弱地盤対策としてCLTを利用することを考えた.この実現性を検討するために,実際の軟弱地盤上にCLTを水平に敷設し,その上に実大規模の盛土を施工する実証実験を実施し,沈下変形計測,大型載荷試験の実施,施工性と経済性の検討,648日(1.8年)経過後のCLTの健全性を検討した.不同沈下抑制や安定性については有効な結果を得られなく,経済性の課題も明らかになったが,CLTの利用が,力学的にマイナス要因とはならないこと,トラフィカビリティが良好で施工時間が短いこと,648日(1.8年)経過後はCLTに亀裂が発生したが,生物劣化と力学的低下は認められず,少なくても短期的にはCLTが利用可能であることを明らかにした.