2026 年 82 巻 22 号 論文ID: 25-22012
電車の車両点検では,作業員が屋根の上に登ってパンタグラフのすり板の摩耗量を目視で確認する方法が一般的であり,作業効率や安全性に課題がある.既存研究では,ICTを用いた非接触・非搭乗型の点検手法が開発され,課題の解決を試みているが,コスト等に課題が残る.そこで,筆者らは,特定模様をプロジェクタによりパンタグラフに投影し,多視点画像から点群を生成するSfM-MVSを用いてすり板の摩耗量を計測する手法の可能性を示してきた.しかし,実環境に適した投影模様や投影機材の最適条件は明らかにされていない.
本研究では,これらの要素がSfM-MVSによる点群生成に与える影響を室内実験により評価した.そして,実車両を用いた実験により,誤差1mm以下の精度でパンタグラフのすり板の摩耗推定ができる可能性が確認された.