抄録
コンクリート構造物の維持管理の観点から,連続繊維補強材は,高耐久性が要求される補修,補強材料としてますます期待が高まってきている.筆者らは,連続繊維補強材のなかでもCFRPより線は,グラウンドアンカー工法や外ケーブル工法あるいは一般のPC部材,さらには斜張橋や吊橋のケーブルなど,緊張材としての適用が材料の持つ特性を最大限に発揮できると考えている.CFRPより線を緊張材として用いる場合,設計上の重要な機械的特性には,引張強度特性,リラクセーション特性,疲労特性が挙げられる.本論は,この3つの機械的特性について新たな知見も加えて総括的に取りまとめたものであり,CFRPより線を緊張材として用いた構造物の維持管理や新設構造物の設計の基礎的な資料として重要な役割を果たすものと考えられる.