土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
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和文論文
オートクレーブ養生したOPC-γ-C2S-ケイ石微粉末系ペースト,モルタルおよびコンクリートの耐酸性に関する研究
斎藤 豪大即 信明圓谷 百合子早川 康之
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2013 年 69 巻 4 号 p. 348-360

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抄録

 本論文では,オートクレーブ養生したOPC-γ-C2S-ケイ石微粉末系材料(Q)の耐酸性能を評価した.その際,主に試験前後の生成物の変化や試験後の2次生成物に着目することで,耐酸性を有した材料設計における劣化抑制メカニズムの解明を試みた.その結果,粉体中のγ-C2SおよびQの置換率を40%および50%とした供試体は,OPCのみを使用した供試体と比較して約84%質量減少を抑える結果を得た.これは,オートクレーブ養生により供試体表面に生成したトバモライトや未反応で残存したγ-C2Sが酸により変質して,供試体表面にシリカゲルや低Ca/Si比のC-S-Hゲルを生成し,その後の硫酸イオンの浸透を抑制したためと考察した.また,実験室における耐酸試験と実環境における暴露試験が同様の傾向を示したことから,実験室における耐酸試験の有用性が示された.

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© 2013 公益社団法人 土木学会
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