2014 年 70 巻 2 号 p. 166-179
配合設計段階において,与条件である流動性のレベル,水セメント比および使用材料の物理的性質から,ブリーディングの少ないモルタルの配合条件を予測するモデルを提案した.流動性が等しいペーストではペースト中のセメントの分散状態は等しいと考え,セメントの凝集の程度はセメントと水との混合比率および高性能AE減水剤の添加量により相違すること,モルタルにおいて所要の流動性を確保するには細骨材容積比の増加に応じてセメント凝集体をより分散させる必要があることを考慮することで,目標とする流動性のレベルに応じて,ブリーディング水量が最小となる配合条件を概ね算定できることを示した.