2014 年 70 巻 2 号 p. 232-251
近年,建設サイトやその近傍で得られる砂礫などを簡易な設備でセメント・水と混合して製造するCSG(Cemented Sand and Gravel)をダムなど大型構造物の材料として利用する事例が増えている.しかし,大規模地震に対するCSG構造物の耐震安全性を検討する際に不可欠となる引張強度や引張軟化特性については未解明な点が多い.本研究は,これらを明らかにすることを目的として,CSG供試体を用いて静的および急速載荷での引張強度試験と破壊エネルギー試験を実施したものである.その結果,CSGの引張強度や破壊エネルギーが載荷速度に応じて増加することを明らかにした.また,載荷速度の影響を考慮したCSGの引張強度と破壊エネルギーの推定式およびCSGの引張軟化曲線モデルを提案した.