土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
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和文論文
山間寒冷地におけるRC床版のASRと凍害による複合劣化の事例とその検証実験
小林 孝一鹿野 裕六郷 恵哲
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2014 年 70 巻 3 号 p. 320-335

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抄録
 本研究では,まず山間寒冷地において生じたコンクリート床版の激しい劣化について,その劣化機構を考察した.その結果を踏まえ,アルカリシリカ反応(ASR)と凍害の複合劣化について実験的検討を行なった.ASR促進の程度やアルカリの種類,コンクリートの空気量,鉄筋による拘束の有無や位置の影響について検討した.その結果,ASRが生じたコンクリートに凍結融解繰返しが作用すると,激しいスケーリングが生じるのみならず,低温下であるにもかかわらず膨張が継続し,凍害の進行は,連行空気の導入によっても緩和されないことが明らかになった.またアルカリ種類が異なる場合や,反応性骨材が粗骨材のみの場合にも,激しい複合劣化が生じることを確認した.
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© 2014 公益社団法人 土木学会
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