土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
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和文論文
コンクリートの物質移動抵抗性を代表する空隙構造指標の抽出と検証
酒井 雄也中村 兆治岸 利治
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2014 年 70 巻 4 号 p. 390-401

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抄録

 ある厚さを有するコンクリートを透過する際に通らざるを得ない最小の空隙直径を「透過抵抗代表径」と定義して,各種物質移動抵抗性との比較検討を行った.まずエポキシ樹脂により被覆した試料を対象とした水銀ポロシメトリーにより,コンクリート試料の透過抵抗代表径を抽出する方法を提案した.得られた透過抵抗代表径と透水および表層透気係数を比較した結果,いずれも高い相関を示した.厚さの異なるコンクリート供試体を対象としたガスの拡散および液状水の浸潤挙動に関しても,表層透気係数から換算された透過抵抗代表径と高い相関を示した.以上は,上記の物質移動においては空隙構造という物理的な影響が支配的であること,また様々な形態の物質移動に対する抵抗性が,透過抵抗代表径により統一的に評価可能であることを示していると考えられる.

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© 2014 公益社団法人 土木学会
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