抄録
本研究では,PCグラウトの流動性を評価するためにJSCE方法とフロー試験にに着目し,種々の粘性を有する14種類のPCグラウトについて,それらを統合的に評価することを検討した.併せて,ISOが国際基準として制定されていく中,日本ではわが国独自のJP漏斗が使用されているために,ISO 14824-3:2012とEN 445:1997に規定されているMarshコーンとの相関性を確認した.さらに,秤を併用した漏斗試験器(自動質量計測方法)を取り入れ,JP漏斗との品質管理の効率化などについての検討を行った.各種の漏斗試験器においては相関関係が強いこと,流下時間とフロー値は,レオロジー特性を示す塑性粘度と降伏値のそれぞれの指標となること,自動質量計測方法は,JP漏斗による流下時間測定よりも精度良くかつより効率的な品質管理ができることなどを提示した.