抄録
撤去された道路橋2橋のコンクリート部材について,劣化原因の調査を行った.一つは,多数の水平ひび割れが見られた供用75年の鉄筋コンクリート橋の床版である.もう一つは,側面の水みち付近にひび割れや浮きが見られた供用47年の橋脚である.両コンクリート部材ともに,ひび割れに沿った,複数の粗骨材の割れが見られた.いずれも川砂利が使用され,ASRの反応性骨材が含まれ,ASRの兆候が見られた.また,両橋ともに,冬季に凍結防止剤が散布されること,凍結融解の繰返しを受けることから,凍害の影響についても調査を行った.その結果,これらのひび割れは,発生条件を含めて,コンクリート舗装の継目部で見られるDクラックの初期症状に類似しており,ASRだけでなく,凍結融解繰返しによる粗骨材の割れに起因する可能性もあることが分かった.