抄録
本報では,海水中から海底土中部に設置された港湾鋼構造物の流入電流および電位を連続測定し,海底土中部の電気防食特性について検討を行った.海底土中部では海底面からの深度が深くなるにつれ防食管理電位に達するまでの期間が延びるものの,電気防食によって十分な防食効果が得られることが確認された.さらに,海底土中部の電気防食メカニズムを検証した結果,微弱でも防食電流を供給することにより,現在の設計で想定されている防食電流以下であっても防食効果は得られると考えられた.また,海底土中部の土壌抵抗が防食電流の供給に影響を及ぼすことを確認し,有限要素法を用いた電位・電流密度分布解析により,土壌抵抗率を考慮した電気防食設計手法を検討した.