土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
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和文論文
引張主鉄筋に沿う人工損傷の長さがせん断補強筋の無いRCはりの疲労耐荷機構に及ぼす影響
山田 雄太千々和 伸浩岩波 光保
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2017 年 73 巻 3 号 p. 323-336

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抄録

 鉄筋腐食ひび割れを有するRCはりのせん断疲労耐荷機構を解明するために,人工損傷を導入したはりを対象として,繰返し載荷実験および有限要素解析を行った.損傷を有するはりでは,繰返し載荷時,損傷面直上に発生した曲げひび割れの繰返し開口に起因する圧縮縁の圧壊および鉄筋の疲労破断により破壊に至ることを確認した.水平ひび割れの進展を伴うタイドアーチ的な機構の発現により,静的耐力が増加するはりでは,上限荷重比40%程度の繰返し荷重作用下において,破壊繰返し回数が健全なはりと同等程度になることを確認した.この原因は,荷重伝達経路の直線化に起因する損傷蓄積領域の局所化であることを示した.載荷点側のD領域内に損傷先端が存在する場合,作用繰返し回数の増加に伴い,水平ひび割れの進展が容易に生じ得ることを明らかにした.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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