2018 年 74 巻 3 号 p. 207-217
低空頭・狭隘地における鉄道構造物等のニューアル工事における場所打ち杭の施工性の改善として,筆者らは,伸縮可能な鉄筋かごを用いたストランド場所打ち杭工法を開発した.本工法の鉄筋かごにおいては,軸方向鋼材にPC鋼より線(ストランド)を用い,帯鉄筋との交差部分を交差角度が90度回転可能な特殊な治具で結合して,円筒形状のかごを構成する.PC鋼より線には可撓性があるため,鉄筋かご全体をねじるとPC鋼より線は螺旋状に変形し,かご全体を縮小することができ,逆方向にねじると鉄筋かごは容易に伸展する.縮小した状態の鉄筋かごを掘削孔内に伸展することで,短時間で鉄筋かごを建て込むことができるため,低空頭下での施工性を大幅に改善することができる.本論文では,鉄筋かごの構成や特性について報告する.