和文論文
短繊維を混入した軽量骨材コンクリートによるPC床版の軽量化と高耐力化に関する研究
2020 年 76 巻 3 号 p. 239-254
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2020 年 76 巻 3 号 p. 239-254
本研究の目的は，短繊維を混入した軽量骨材コンクリートを用いることにより，軽量かつ高耐力のプレストレストコンクリート床版を実現することである．
本論文では，PVA短繊維を混入した軽量骨材コンクリートに関する実験を行った結果より，設計基準強度50N/mm2の軽量骨材コンクリートと同等の力学性能を得るには短繊維混入率を0.5vol.%程度以下にする必要があることを確認した．また，各種床版の押抜きせん断試験を実施し，PVA短繊維を0.5vol.%混入した軽量PC床版は普通骨材コンクリート製PC床版と同等の押抜きせん断耐力を有することを確認した．さらに，実験および解析の結果から，短繊維を混入した軽量PC床版のせん断耐力の増加要因は，RC方向でのひび割れ進展の抑制とこれに伴うPC方向でのタイドアーチ形成によるものと考察した．
