2020 年 76 巻 4 号 p. 386-402
耐荷機構に立脚した簡便かつ合理的なせん断耐力予測式の構築を目的として,鉄筋コンクリートはりのせん断抵抗機構におけるビーム機構の耐力予測式を理論的に構築した.鉛直応力非卓越領域における斜めひび割れ経路で分かたれた自由体の力学的平衡状態から基礎式を導出し,せん断長さが800mmまでの試験体に対するせん断要素実験の結果から構成した斜めひび割れ経路上の開口幅に依存する応力伝達モデルを適用することで予測式の構築に至った.予測式の適用性を検証するために静的載荷実験および有限要素解析を行った結果,予測式は,せん断スパン比が1.0から3.0,有効高さが200mmから1600mmまでのはりにおけるビーム機構の耐力と算定値の比率に対して平均値が1.00,標準偏差が0.10,変動係数が10.0%の精度で予測可能であることを確認した.