土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
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和文論文
リング拘束供試体法を適用したアクリル系ポリマーセメントモルタルの火災時の爆裂性状と爆裂発生メカニズムに関する検討
杉野 雄亮小澤 満津雄谷辺 徹常藤 光祐川 真紀帆
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2021 年 77 巻 4 号 p. 150-163

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抄録

 リング拘束供試体法をポリマーセメントモルタル(PCM)に適用し,爆裂深さ分布を評価した.また,拘束応力と水蒸気圧から爆裂発生時の内部応力状態を調べた.PCMのポリマーセメント質量比(P/C)は20%とし,ポリマー無添加のモルタル(NCM)を比較用とした.加熱曲線は,RABT30とした.P/C=20%のPCMおよびNCMの面外直ひずみは,拘束応力から計算した.さらに,爆裂発生時の面外直ひずみを引張破壊ひずみと仮定し,P/Cと引張破壊ひずみの関係式を提案した.上述の関係式を用い,引張ひずみ破壊発生時間を推定した.その結果,P/C=5~20%のPCMは,リング拘束供試体の爆裂発生時に引張ひずみ破壊が生じた.加えて,水蒸気圧の作用が確認された.一方,ナイロン繊維を混入したPCMは,水蒸気が逸散し,爆裂が抑止されると考えられた.

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